ハイペリオンシリーズの3作目、「エンディミオン」読了につき書評を書きます。

読了後、素直な感想としてはハリウッド映画の面白いものを見たような感じです。

ハイペリオンの没落から約200年後の設定になっており、主人公?の青年が特殊な能力を持った少女を手助けしつつ、少女を狙う追っ手から逃亡する冒険譚です。少女しか作動させられなく、しかも意識的に作動させるわけでもない転移ゲートで、前作の最後で業火に焼かれた星々に流れるテテュス川を筏で逃亡します。最後に強い敵が出てきてすんでのところで追っ手の届かない星までなんとかたどり着きます。

話の流れとしてはベタですが、前作で焼かれた星々を流れの中で紹介すること、聖十字架による不死を最大限に利用する宗教、滅びた筈のテクノコアなど、見所はいっぱいです。前作までと比べて、物語を語る視点が逃亡側と追っ手側の2点であり、とても読みやすい。前作も面白いが、視点が多すぎ、メタすぎで読みにくいと再認識させられました。

全体的には勧善懲悪冒険譚といったところで、最後に強い敵を出して盛り上げ、ハッピーエンドで終了です。陳腐ですが、とても楽しめました。「ハイペリオンの没落」まで読んだのなら、これも読まなければ損です。