我が母校は飯田橋にあったので、靖国神社までは歩いてよく行きました。花見とか、祭りとか。んで、思うところがあったのでトラックバック

母国の首相が靖国神社参拝するにあたって様々な意見があるようです。自分の考えがまとまっていないので、一応新聞に書かれている内容を挙げて、自分なりに対応を考えてみました。

・靖国神社に祀られている人
かつて日本国の軍人として命を落とした人。
東京裁判で戦犯とされた人も含む。

・中国/朝鮮の意見
かつての自国を占領した政策をとった指導者が祀られている霊廟に参拝するということは、かつての占領政策を誤りと認めていないということ。断じて許されることではない。

・シンガポール首相の意見
日本の国内問題であり、外国の人間が意見することではない。
ただし、周辺国への配慮はあっていいのではないか。

・日本の首相(小泉さん)の意見
かつての戦争の保証も謝罪もしている。
罪を憎んで人を憎まず。参拝して何が悪い?参拝は文化の問題だし、そもそも国内問題なので外国から意見される筋合いはない。

・元日教組の父の意見
中国/朝鮮の意見と同じ。


こうしてみると、シンガポール首相の意見が唯一大人に見えます。どちらかというと当事者意識があまりないだけだと思いますが。
首相の靖国参拝については国内でも意見が割れています。間接的とはいえ、選挙で選ばれた首相が参拝するのだから、国民としてはそれを認めたことになるわけですが、私の父のように反戦原理主義的な考え方をする人がいるのも事実です。でもこれはどこの国でも同じですね。

まず首相は強気の外交もけっこうですが、国内の意思統一をもう少しやるべきです。啓蒙活動が足りない。国内の支持基盤が弱いから外国に付け込まれるのだと思います。あと、外交上の問題となるような国内問題について方向性が打ち出せてないのですね。ODAをどうするのか、在日朝鮮人/中国人、不法滞在外国人という特殊な状況をどう正常にするのか、その他諸問題についても方向性が見えないので靖国参拝についてあーだこーだ言うしかないという状況ができています。

靖国神社への参拝そのものは別にどうでもいいと思います。したら左が、しないなら右が物議を醸し出します。問題の根は、そこしか説明しないから国益を損なうようなことになるのだと思います。包括的に、中国/朝鮮と今後どういう付き合い方をしていくのか、靖国問題なんてのはその中のほんの一点であるはずなのに、そこだけ論じても結論なんか出るわけがありません。そういう切り込み方をしない新聞TVがアホというか、中国/朝鮮にうまく使われています。何とかならないものですかね。

あと、靖国神社は宗教だから首相が公式参拝は憲法違反なんてのは論外の電波です。政教分離ってのはそういうことじゃないでしょう。じゃあ公明党議員は選挙に通った時点で憲法違反ですか。そういう揚げ足取りで議論をそらしちゃいけません。

結局のところ経済優先でよろしくやっていただきたいわけです。靖国参拝を止めることを条件に何かを引っ張り出せるなら短期的には利があると思いますが、数十年単位で見た場合、害が大きいと思うのですね。国内問題に干渉を許した格好になってしまうので。その辺の定量的な評価を出して議論しないことには議論の意味が無いですね。


私は小泉さんの政策は郵政とかも含めて消極的賛成です。彼の政策は足りないのですね、全てが。そこが問題だと思いますが、やろうとしていることは間違いではないと思います。足りない部分が見えないのでどうしても積極賛成はできないです。
プロ野球もちゃんと見るとけっこう面白い。
ちょっと前の話ですが、4/16、東京ドームに日ハムx楽天戦を見に行きました。内野A指定¥3,500。正直言って興味ない試合なのですがw、ライブで見ると面白いもんです。安い席なら¥1,000あれば入れるし。

私は中日ドラゴンズを応援しているので、パリーグの勝ち負けなんてマジどうでもいいのですが、オリンピックの効果は偉大だなと思いました。知ってる選手が出てくると嬉しいのですね。小笠原とか、実績もあるし、いい選手なんだけども、パリーグだから全然興味なくて、オリンピックを見るまで成績の数字しか知らなかったんです。岩隈も同じ。

プロ野球人気は良くも悪くも読売新聞の方針で決まりですね。短期的な高収益を求めて失敗した感じがします。つまり巨人人気を煽りすぎなのですね。巨人が強ければアンチも含めて野球人気がでるけど、弱かったらどうにもならないし、パリーグは関係ない。

TVを中心としたメディアも巨人人気に追従。同じ穴の狢なのですね。ガキの遊びが野球しかなかった時代はそれもありですが、今は違う。サッカーといわず、やることはいくらでもあります。今どきは野球やったこと無いガキだっているでしょう。私の幼少時には考えられなかったことですが。

だから巨人戦を見るのでなく野球を見るようにしないと、野球人気は落ちる一方でしょう。巨人が高額年俸で選手を飼い殺し、他球団の選手はFAで巨人かメジャーへ移籍する流れができています。でもそれだと野球がつまらないのですね。TV視聴率で興行収入を稼ぐには名前の売れてる選手がいないとツライのはわかります。ただそれでプロ野球全体の人気を落としているのです。そういうビジネスモデルはもう限界だと思うのです。

これは富の集中が問題なのだと思います。TVというメディアを握っている読売グループが全てを掌握してるのです。この構図は基本的に読売だけが儲かるのですね。セリーグ各球団はおこぼれに与っていますが。

かつてはドラフト制度というのが機能していたので読売にだけ有名選手が集中するということがありませんでした。それで何とかもっていたのですね。しかし、FA制度や逆指名制度のおかげでドラフト制度はそういう方面で機能しなくなりました。これは江川、桑田、元木などの選手が問題をおこしてきたおかげですね。チームの好き嫌いという単純な話でなく、読売以外は儲からない、という構図を見抜いた頭の良い選手によって起こされた問題です。

この読売以外儲からない構図を変えないと、選手もファンも不幸です。今の制度は読売は儲かるけど、プロ野球全体の収入、いわゆるパイの大きさは小さくなっているのですね。解決策は、読売がOKすれば、けっこう簡単だと思います。まあそれが難しいわけですが。

まず2リーグ制は維持すべきです。サッカーのようにカップ戦があるわけではないし、そんなことできないし、日本シリーズは盛り上がるし、優勝チームが2つあった方が良い。1リーグ10球団ではどうなのかと思う。意外と盛り上がるかもしれないけど。やはり興行としては2リーグ12球団がいいバランスだと思います。最初に考案した人は偉い。

そしてTV放映権収入はプロ野球運営会社というものを作ってそこ預かりにし、各球団へ再分配すべきです。そうでないとTVという規制産業を持っている会社だけが成功するビジネスにしかなりません。TVメディアを公平に使うためにもそれが重要。NHKではよくダイエー戦やってます。けっこう見ます。でもBSだし。TVつけて、すぐ見れるのは巨人戦だけという現状を打破すべきです。

この辺のマネジメントはNFL(アメフト)が一番うまくやっていると思います。NFLにはマンデーナイトゲームというのがあり、週で唯一の全国中継なのです。NFLは全16週なのでやりやすいってのはあるかもしれませんが、マンデーのゲームは年度初頭から決まっているのですね。そんな感じで、プロ野球運営会社がTV関係の収益を握ってリーグ全体を盛り上げるように仕向けていくべきなのです。TV放映を読売が握っていたら読売しか盛り上がりません。当たり前です。

ただ、これは短期的にも長期的にも読売には減収になるかもしれません。そんな話は飲めない、と言うかもしれませんが、このままでは読売以外の全球団赤字になると思います。そうなれば野球で儲からなくなるのも時間の問題です。そのとき、読売は不採算事業になったプロ野球球団を切り捨てるつもりかもしれませんが。

昨年、語りつくされた話だと思いますが、プロ野球見に行って、このコンテンツはホント勿体ないと思ったので語ってみました。
科学常識問題が読売のサイトに載ってます。

私の常識の無さを再確認してしまいました。ま、そこらじゅうで設問がおかしいと非難轟々ですが。つーか、科学的常識に反しますよ、この設問は。

----引用----
【科学常識チェック、〇か×か】(国際比較の共通質問から)
〈1〉地球の中心部は非常に高温
〈2〉すべての放射能は人工的に作られた
〈3〉我々が呼吸に使う酸素は植物から作られた
〈4〉赤ちゃんが男の子になるか女の子になるかを決めるのは父親の遺伝子
〈5〉レーザーは音波を集中することで得られる
〈6〉電子の大きさは原子よりも小さい
〈7〉抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す
〈8〉大陸は何万年もかけて移動しており、これからも移動するだろう
〈9〉現在の人類は、原始的な動物種から進化した
〈10〉ごく初期の人類は、恐竜と同時代に生きていた
〈11〉放射能に汚染された牛乳は沸騰させれば安全
----ここまで----

私の記憶で、高校卒業までで習わないのは下記です。
〈2〉〈11〉放射能については原発や被爆を社会科で習っただけです。
〈5〉レーザー光線の作り方を習ったことはないです。
〈6〉電子の大きさって何だ?質量のことか?
〈7〉抗生物質を習ったことはないです。
〈9〉仮説として習った記憶はありますが、いつ常識になったのですか。
〈10〉恐竜全盛期と人類全盛期が同時代でないのは習いましたが、勃興と滅亡時期は正確に習っていません。つーか、これって科学?

私は〈7〉だけ間違えました。医学と薬学にはとんと興味が無いのでどうにも。他の問題ができたのは空気を読んだからです。結局学校で習ったことは全部覚えていますが、そうでないことはできないと思います。それにしても、○×で正答率54%は不出来ですね。2~3問知ってる問題があれば60%くらいにはなる計算ですが。

設問には、なんだかなぁと思いました。日本語がおかしいというのはおいておいても、設問の中で知っているべきことは3,4,7,11くらいでしょうか。あとは専門家でなければ知らなくていいことだと思います。学校は直接生活に密着することを常識として教えるべきです。

質量と速度と加速度と摩擦といった古典力学を理解することで自動車の安全性/危険性を理解できます。気体の圧力と容積と温度の関係を知ることで空調機の動作を理解できます。外気温によって空調機の選択ができるようになるでしょう。発電効率や熱効率といった考え方を知れば、真に環境にやさしい熱源は何かを理解できます。

設問はイメージ先行です。科学はデータに基づいた論理展開が必要です。物の価値を判断するのには実測データが肝要です。そういう考え方をする人間を育てることが出来ていないし、こんな設問では誰も育たないでしょう。
ハイペリオンシリーズの4作目、「エンディミオンの覚醒」読了につき書評を書きます。まあここまで来たら最後まで読むしかないわけですが。

内容はハイペリオンシリーズのまとめですね。話はエンディミオンの続きで、同じような感じです。冒険譚としては悪くないのですが、やたらと哲学的で、愛で科学を超越してしまうところがどうにも違和感があってつらかった。そこがエンディミオンと違うところかな。それ以上の感想はない。
愛と苦悩の日記で面白い命題があったので考えてみた。

--引用 --
鈴木さんは田中さんに5,000円を貸しています。二人の共通の友達にプレゼントを買うことになりました。借りがある田中さんが買いに行く予定でしたが、都合が悪くなったので、鈴木さんが田中さんのお金を10,000円預かって買いに行きました。でも10,000円ではいいものが見つからず、鈴木さんは自分のお金から3,000円を足して、13,000円のプレゼントを買いました。さて、鈴木さんと田中さんの間でどういうお金のやり取りをすれば、貸し借りがなくなるでしょうか。
-- ここまで--

■算数的な答え
各個人の出資金額と支払うべき金額の差分を考えれば良い。

鈴木出資金額:
田中に貸した \5,000
物品購入時に出した \3,000
----
計\8,000

田中出資金額:
田中に借りた ▲\5000
物品購入時に出した \10,000
----
計\5,000

二人がそれぞれ出すべき金額:\13,000 / 2 = \6,500

これと出資金額との差分が清算金額である。
鈴木:\8,000 - \6,500 = \1,500
田中:\5,000 - \6,500 = ▲\1,500

----
答え:田中が\1,500だし、鈴木が\1,500受け取る。

■直感的な答え
鈴木が田中から\10,000預かった時点で貸し借りなしなので、予定外の\3,000を二人で出し合う格好にすれば良い。
鈴木が\3,000出しているからその半額の\1,500を田中から貰えば良い。

■数学的な答え
貸し借りが無い、という状態の定義がなされていない。利息の契約や、\3,000高いものを買うという予定外の行動についての行動基準について事前に契約がなされていたかどうかも不明。
よって、回答不可。

■社会性を考慮した答え
恐らく鈴木が勝手な判断で\3,000余計に高いものを買った。これに田中が金を出さなければならないというわけでもない。
しかし、田中は返したとはいえ、鈴木に金を借りていたという負い目がある。また、田中は鈴木から\5,000借りるくらいだから田中の方が貧乏と考えられる。
ここはこういう感じが落としどころではないだろうか。
鈴木「オレが出しとくよ。」
田中「悪いなあ。じゃあ今日の昼はおごるよ。」
これで貸し借り無し。


世の中難しい。算数でなければ10分で答えは出ないでしょう。でも久々に算数やって楽しかった。
finalvent氏が日記で読書について語っておられます。

何してる人か知りませんが、妙に教養が深くて、特に私がかつては興味なかったことに詳しいのでとても参考になります。

私の詳しい分野なんて、漫画やガンダム、バイクで回った日本列島の地理、あとは半分趣味の仕事関係(電子回路設計)くらいのものです。文学書は国文も洋書(翻訳書)も一通り読んだつもり程度です。
寺社は好きですが宗教はあまり興味ありません。国際情勢はWebやTVのニュースで見聞きしただけで、そもそも海外に出たことがありません。

ですので、finalvent氏は何か尊敬してしまいます。これくらい落ち着いた大人になりたいと。

で、読書です。
年間百冊は現実的に無理ですね。通勤電車で読むのが基本。往復で45分程度ですし、酔ってるときは読みません。最近はSFなんか読んでるので1冊/月ペースくらいです。推理小説なら週1冊はいけます。それでも50冊/年程度でしょう。その程度に留めるべきだと思うのです。本の中は仮想空間です。本を読んでいる間は引き篭もりと同じです。仮想空間の体験を現実世界で味わう時間がなければ本を読む意味はないと思うのです。

で、年間百冊は無理、という話です。これでは本を楽しめない、味わえない、身にならないです。

そしてトルストイの「戦争と平和」ですが読んだことありません。ロシア小説はソルジェニーツィンとドストエフスキーをちょっと読んだ程度です。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」は、当時高校生の私には印象深いものでしたが、半分読んで挫折しました。なんといっても宗教。高校では世界史を選択していたので、キリスト教史を全く知らないわけではなかったのですが、なんていうか、どうでもいいのです。キリスト教の世界観が共有できないので、読み進めてもサッパリ意味がわからず、上中下巻の中の半ばでやめてしまいました。宗教、特にキリスト教やxx教皇が云々などの議論に終止するような小説は今でも読む気がしません。この辺りも楽しめるようになればもっと楽しい人生が送れるかと思うのですが、それには私はまだ若いw。そういうことにしておきます。

ここ
を見て少し寂しい気分になった。染井吉野は一本の木から挿し木で広まった。子孫はなく、全てクローンというのも凄い話だ。

木は挿し木が多く、植木屋で売ってるものなど全部そうだろう。
私はひょんなことから木を種から育てたことがある。「南京はぜ」の芽が庭から生えていたので、親にたのんで鉢に植えてもらった。小学校に上がる前のことだ。その木は私の成長と伴に大きくなり、中学に上がる頃にはまあ立派な若木だった。

自分と一緒に成長する木というのは実に感慨深い。
風雨にじっと耐え、動かず、ただ成長する木を見ていると、つまらないことで負けてはおれんという気になる。
木は強い。

その木も、私が大学に進学し、家を出、実家も引越し、切られてしまった。
そして親と同年齢の染井吉野もそろそろ寿命とか。

そろそろ自分の死に場所を見据えつつ、人生考えよう。
プロレスリング・ノア@後楽園ホールに行ってきました。やあ、面白かった。

○佐野 vs 菊池×
菊池さん最高。

○泉田, 本田 vs 越中, 川端×
みんなでヒップアタック(w。

○スコーピオ vs 潮崎×
潮崎いいね。ムーンサルとプレスが綺麗。

○モデスト, モーガン, スタイナー vs スリンガー, 小川, 鼓太郎×
鼓太郎が良く飛んで面白い。

○秋山 vs 橋
秋山が盛り上げてくれる。スタンドまで橋を引きずって何か投げてた。

○金丸, 杉浦, 三沢 vs KENTA, 小橋, リッキーマルビン×
三沢がきっちり逆水平を受けるのがいい。

○鈴木みのる, 丸藤 vs 田上, SUWA
鈴木みのると丸藤のコンビが中々悪くていい感じ。

○森嶋, ヨネ, 力皇 vs バイソン, 斉藤, 井上×
この試合はイマイチだった。力皇がもう一つ。斉藤の方が良いね。
散人は料理の手間の本質が全然わかっていない。料理の工程ってのはこうだ。

・材料の調達
・調理器具を出す
・ちゃぶ台を片付ける
・ちゃぶ台を拭く
・食器を出して並べる
・調理(材料を切る、煮る、焼く、味付け)
・盛り付け
・調理器具を洗う
・料理を運ぶ
・嫁を呼ぶ
- 食べる -
・食器を流しに運ぶ
・ちゃぶ台を拭く
・食器を洗う
・食器を拭く
・食器をしまう
- ついでに -
・お茶を淹れる
・煙草を吸う
・茶碗を洗う

ここまでが料理だ。正直、調理の手間なんてどうでもいい。
それに付帯する洗浄/片付け工程がたまらんく嫌なのだ。
何といってもちゃぶ台片付けるのがムカツクのだ。
散らかすんじゃない、本当に。

散人指摘のこだわりだが、TV出演者は食にこだわっているわけでなく、単に知らないか、台本通りの演技か、あるいは両方だろう。
私は食にとてもこだわる。理系的こだわりと嫁に言われるが。
料理とはかけた金額と手間に比例して味が向上しなくてはならない。
私の脳内基準比例直線よりも上にあれば満足だし、下にあれば不満だ。
「いもや」は好きだが「てんや」はイマイチだ。
「天狗」は好きだが「白木屋」はきらいだ。

食にはこだわるよ!
ハイペリオンシリーズの3作目、「エンディミオン」読了につき書評を書きます。

読了後、素直な感想としてはハリウッド映画の面白いものを見たような感じです。

ハイペリオンの没落から約200年後の設定になっており、主人公?の青年が特殊な能力を持った少女を手助けしつつ、少女を狙う追っ手から逃亡する冒険譚です。少女しか作動させられなく、しかも意識的に作動させるわけでもない転移ゲートで、前作の最後で業火に焼かれた星々に流れるテテュス川を筏で逃亡します。最後に強い敵が出てきてすんでのところで追っ手の届かない星までなんとかたどり着きます。

話の流れとしてはベタですが、前作で焼かれた星々を流れの中で紹介すること、聖十字架による不死を最大限に利用する宗教、滅びた筈のテクノコアなど、見所はいっぱいです。前作までと比べて、物語を語る視点が逃亡側と追っ手側の2点であり、とても読みやすい。前作も面白いが、視点が多すぎ、メタすぎで読みにくいと再認識させられました。

全体的には勧善懲悪冒険譚といったところで、最後に強い敵を出して盛り上げ、ハッピーエンドで終了です。陳腐ですが、とても楽しめました。「ハイペリオンの没落」まで読んだのなら、これも読まなければ損です。